私立高校3年(埼玉) T君の補足意見
本文はこちらをご覧下さい。
「飛び入学」が理系離れ阻止の決定打になる、という意見には賛成しかねますが、私は、適切な選抜と環境に於いて行われるのであれば、「飛び入学」は現在の状況を打破する可能性があるという点で、評価されるべきだと思います。
私は、教育の種種の問題点の根元は、管理する団体の「十把一絡げ」の姿勢と、その姿勢で作られた施策の強制にあると思います。管理しやすくするために、年齢でまとめ、クラスでまとめ、制服でまとめる。
「まとまりに入らない協調性のない子は悪い子」という意識が定着し、はずれた子はいじめられる。それに対してとられてきた対策も「十把一絡げ」。道徳の時間を増やすとか、「ゆとり」という暇で退屈な時間を増やすとか。
今回、文部省の関係団体が「例外を認める」方向に積極的に動いた、ということは、ある意味画期的なことです。残念なことに内容はあまり評価できませんが、姿勢は大いに評価されるべきと言えるでしょう。今後も、教育の規制緩和を目指していって欲しいと思います。
あと、何人かの方の意見で見られた、高校生の大学への飛び入学は、倫理的に問題がある、という意見に対する(形式的)反論です。
最初はMLで発表したものですが、是非こちらでも。
*これは、形式上は、高校生の大学への飛び入学は、倫理的に問題がある、という意見に対する反論です。ただしこの意見にも問題点があり、筆者もそれを知っています。反論のための反論ではなく、あることを示唆するために敢えて提示するものです。
高校の残りの期間を飛び越して大学に入学する、という方法では、人格形成に問題が起こる、という意見があります。
高校は義務教育ではない、という点に注目します。義務教育ではない、ということは、高校以上の教育を受けない権利、もあると言うことです。
数学で大学に飛び入学して高校の授業(もしくは課外活動)の一部を履修しなかった生徒が人格や社会常識に問題があるのなら、高校に行かずに高校の授業を履修しなかった人も人格や社会常識に問題があることになります。一方を認めて、一方を認めない、というのは、整合性に欠けます。
もし前出の理由で飛び入学を認めないのであれば、高校までを義務教育にするべきです。中学までが義務教育である以上、前出の理由は飛び入学を認めない、というものの根拠としては説得力がありません。